最適なWeb制作会社を見つけるには「急がば回れ」

Webデザイン, ブログ

「そろそろ、我が社のWebサイトもリニューアルしたらどうだ」――。ある日、降って湧いたようにリニューアル案件が発生するかもしれません。これは、Webマーケティング担当者にとって、抜本的なサイト改善が行える千載一遇のチャンス。ですが、Web制作会社探しに苦労し、こうした好機を上手く生かせている例は多くないようです。急な発注にも最適な提案をしてくれる制作会社を、企業担当者どのように見つけたらよいのでしょうか。

Webサイトの役割や目標を明確にする

ある日突然、自分の会社で、新しいWebサイトを立ち上げることになった場合、または、既存のWebサイトをリニューアルすることになった場合、「あの会社の、あの人に相談しよう」と即行動できる担当者は多くありません。

BtoB企業でWebサイトを日々運用していても、すぐにサイト構築やリニューアルの相談ができるようなネットワークのある担当者はまれではないでしょうか。話しが持ち上がってから、制作会社を探し、コンペを依頼するというのが現実の姿だと思います。

仮にサイトを構築したら、少なくとも数年間は大きな改修はできないでしょうから、もし相談先を間違えて出来の悪いWebサイトをつくってしまうと、毎日のように問題が発生してしまったりと、企業としても、担当者としても取り返しのつかない結果になるかもしれません。

数年に1度あるかないかの企業のWebサイトリニューアルは、見た目のデザインだけでなく、Webマーケティングの面においても大きく改善を加える絶好の機会でもあります。担当者であれば誰しも、そうしたチャンスを確実に生かし、最高のWebサイトをつくり上げたいと考えるはずです。

では、自社の課題を解決するWebサイトを提案してくれる会社は、どうしたら見つけられるのでしょうか。制作会社を探し始める前に、まず、自社の目標が何なのかを考え、その目標を達成するために必要なWebサイトの役割を考えることが大切です。

これまで私の見てきた限りで言っても、Webサイトで何を実現したいのか目的を明確にしたうえで、きちんと目標設定できている企業は思いのほか多くありません。目に見えるデザインの出来不出来や、トレンドばかりを重視する事例もありました。


「短期間で発注先を見つける」のは大きな課題

当然ですが、ただ見栄えのするWebサイトをつくれば良いわけではありません。サイトを運用して、問い合わせ数を増やしたり、資料をダウンロードしてもらうなど、様々な目標を達成する必要があります。

そのためには、コンテンツに興味を持ってもらわなければなりませんし、使いやすいWebサイトであることが前提になります。そうした自社の目標達成に、一緒に伴走してくれる制作会社がパートナーとして向いているでしょう。

もちろん、新しいWebサイトの構築やリニューアルをいつも検討している人はいません。

BtoB企業のWebサイト担当者ですと、業務を兼務されていることが多く、日々多忙で、サイトの具体的な検討段階に入ってから依頼先の制作会社を探しがちです。結果として短期間で発注先を見つけなくてはならず、実はそれが大きな課題となっていると感じています。

普段から時間のある時に情報をチェックし、信頼できるパートナーを見つけていれば、安心してWebサイトの構築やリニューアルを発注できます。常日頃からパートナー企業となる制作会社を見つけるための準備をしてほしいところです。

そのためにも、日常的にWebデザインに関するメディアや情報をチェックしておく習慣を身につけましょう。こんなWebサイトにしたいと思う好例や実例を見つけるには、Webデザインのブックマークサイトがお勧めです。

最近のWebデザインのトレンドを知ることができますし、数多くの優れたデザインを見ることで、制作会社のデザイン力を判断する目が養われるはずです。Webデザインのブックマークサイトとしては、S5-Style(http://bm.s5-style.com/)I/O 3000(https://io3000.com/)などがあります。

Webデザインのブックマークサイトでトレンドを知ることが出来ても、残念ながらそのWebサイトを作っているのがどこの制作会社なのかまでは分かりません。自分で調べようとすると、かなりの手間と時間がかかります。


書籍やイベントを通じて情報を集めておく

そこで、私がお勧めするのは、マイナビ出版が発行するWeb制作会社を紹介した書籍『Web制作会社年鑑』を確認することです。インターネット上だったら、「Web制作会社年鑑オンライン」をチェックしてもよいでしょう。

元々は、書籍の発行が先で「Webサイト制作を委託したくなったときに手にする本」というコンセプトで2004年に創刊され、Web制作会社選びのためのガイドブックとして活用され続けています。

BtoB企業だけでなく、BtoC企業のWebサイトを制作している企業が多く紹介されています。ブックマークサイトで気になるデザインを見つけた後に、最新のWeb制作会社年鑑をチェックすると、どこの会社が制作しているのか見つけやすくなります。また、掲載されている制作会社も自社の強みをアピールしようとしているので、年鑑に掲載されている制作実績をチェックすると、その制作会社の強みが分かるでしょう。

その他には、定期的に行われているWeb制作に関するセミナーに出かけてみるのも良いと思います。私の一押しは、CSS Nite(http://cssnite.jp/)というWeb制作に関わる方向けのイベントで、様々なテーマのセミナーが開催されています。

なかでも年末に開催される「Shift」シリーズの「Webデザイン行く年来る年」は、その年のデザインのトレンドと来年のデザインのトレンドがテーマとなっています。Webデザインのトレンドに興味がある方は、一度参加されてみてはいかがでしょうか。セミナー後の懇親会に参加すれば、優れたWeb制作会社、優秀なWeb制作者との出会いがあるかもしれません。


<著者プロフィール>

久保田 善博(くぼた よしひろ)
2010年5月入社。BtoB企業サイトのデザインや新規事業のWebマーケティング担当を経て、現在はデジタルコミュニケーション事業部でコンサルタント業務に従事する。WACA公認 上級ウェブ解析士。 2017年よりシェアリングエコノミー事業を利用して活躍するホストを紹介するメディアShare!Share!Share!の編集長を務める。また、副業として一般社団法人日本ふるさと手しごと協会を立ち上げ、メンバーとなる。