インバウンド営業だけで1,200社の導入実績!積極的な売り込みをせずに受注率25%を維持する秘訣とは?

2013年現在、1,200社の導入実績を誇るクラウド型ネット予約管理システム構築パッケージ「ChoiceRESERVE(チョイス・リザーブ)」。株式会社リザーブリンクが販売している予約管理システムで、サロンやエステなどの美容系から飲食店、さらにクリニック・歯科に至るまで多種多様な業界のWebサイトで利用されています

ChoiceRESERVEのWebサイトは、導入までの流れや全業種に対応したデモなどコンテンツが充実していてわかりやすく、デザインも、シンプルな中にもポップで親しみやすさのある構成になっています。08年にChoiceRESERVEの販売を開始して以降、導入社数は右肩上がり。企画、開発から制作、販売など全ての工程を社内で行っており、アウトバウンド型の営業は一切やらず、インバウンド型営業で業績を伸ばしているとのこと。

積極的な売り込みをせずに成長し続けるためのノウハウや社内体制、社風について営業推進セクション・事業開発グループの井出勝彦さんにお話を聴きました。

※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。

【目次】


インバウンド営業チームが受注の8割を獲得

―― なぜインバウンド型の営業を実践しているのでしょうか?

営業推進セクション 事業開発グループ 井出 勝彦氏

井出氏:うちは「どんどん売り込んでいこう!」という社風ではないんですよね。いい意味で楽観的なところがあって、良い製品を作ればお客さまはついて来てくれる、と思っています。代表がエンジニアで伝えることが苦手というのもありますが、“ものづくり”にはとことんこだわっていて。あとは、見つけて頂ければ選択してもらえるという想いがある事と、そもそも、プッシュ型の営業はあまり好きではないんです(笑)。

とはいえ、社内の営業体制はもちろんあります。3名のインバウンド営業チームを設置していて、お問い合わせがあったら20分以内に返答するようにしています。その際、徹底的にヒアリングし、デモサイトをお見せして説明するなど丁寧にサポートを行います。

インバウンド営業チームで8割の受注を取っています。お問い合わせに対応する中で制作側に伝えるべきと判断した内容は、必ずフィードバックしてサイト改善につなげるようにしてくれていて、うちのインバウンドチームは業務の守備範囲が広く、うまく機能していると感じています。


想いを持ってサイトを育てる、コンテンツ重視の考え

―― 積極的なアプローチはしないとのことですが、広告出稿はしていないのですか?

井出氏:リスティング広告を出していますが、受注につなげるためというより、ブランディングを意識しています。広告を出すときは、サービスを直接勧めるのではなく、「面白い広告があるな、なにやってんだろ?」というきっかけになるように、遊び心満載なノリで出しています(笑)。もちろんSEO対応もWebサイト立ち上げ段階からやっていましたけど、キーワードをやたらめったら盛り込んで、上位表示を狙いにいくというやり方はしていません。

Webサイトを“美術館”のようにとらえていて、どの部屋(ページ)に来ても居心地良く過ごしてもらいたい。単に見かけだけでなく、このページにはこんな意味がある。こういった想いでこの部屋を作っています。というメッセージを伝えられるよう、1ページ1ページキーワードの含有率、リンクの貼り方、サイト全体からのページのプライオリティを重視し、丁寧に作っています。健全なコンテンツを重視するようになった最近の傾向から、われわれが愚直にやってきたことが評価されるようになった、という感じがしています。


お問い合わせは月200件。インバウンドならではの効果も

―― インバウンド型の営業を始めてからこれまでの成果や効果を教えてください

井出氏:2008年から販売を始めて右肩上がりに売上は伸びてきています。現在、月間200件くらいのお問い合わせがあり、受注率は20〜25%の高水準を維持しています。受注率はこのまま維持する努力を行いつつ、現在の業務体制で、月間400件くらいのお問い合わせまでは処理できるんじゃないか、と見込んでいます。

サロンなどの美容系、スクール・カルチャー系、セミナー開催や研修関連からのお引き合いを頂く傾向が強いのですが、他社とのアライアンスを進めることでインバウンドでは中々リーチが難しい医療分野などでも導入して頂けるよう機会を増やしていきたいですね。

また、インバウンド型で営業を行う良いところだと思うのですが、弊社が製品企画段階で想定していなかった使い方を、お客様の方が気づいて成果を上げられています。製品のポテンシャルを引き出していただけた格好ですね。これはアウトバンド型では起こりえなかったことだと考えています。これにより、予約だけでなくCRM(顧客管理)やマーケティング分野へのビジネスチャンスが広がってきていると実感しています。


インバウンド獲得だけでなく、その後の対応も丁寧に

―― 今後さらに取り組んでいきたいこと、考えていることはありますか?

井出氏:現在ソーシャルメディアブログで行っているんですが、予約サービスの啓蒙活動をさらに進めていきたいです。ChoiceRESERVEを実際に街の女の子に使ってもらって、予約するところから実際にサービスを受けるところまで紹介する「予約女子」みたいなコンテンツもやってみたいですね(笑)。人が見て楽しめて、且つ「予約」に興味を持ってもらえるアイデアをいろいろと試していきたいです。

先日、製品に関する想いを伝える場としてコーポレートサイトをリニューアルしたのですが、製品サイトに比べて、より上流課題のご相談が増えました。保持管理させて頂いているユーザーの予約データも年々蓄積されてきましたので、ソリューションを提案していく事で、予約システムコンサルティングやコーディネート業務にも取り組んでいきたいと考えています。

また、今後引き合いの数が増え続けても、その後の営業対応や導入後のフォローが疎かにならないように気をつけたいです。Webサイトやお問い合わせ対応だけでなく、サービスを利用いただく一連の過程を丁寧にやっていけたらと。そこはインバウンド型営業だからこそ必要なモニタリング方法だと思っています。あとは、弊社の社風に合う様に“営業”に代わる肩書きを考えたいですね(笑)。


最後に

インタビューに伺ったリザーブリンクさんのオフィスでは、ノリのいいラテン音楽が流れていました。日々の気分で社員の方が好きな音楽をかけるようです。「うちの社風は自由と自立。社長もわれわれを信じて任せてくれます」とお話していた井出さんと松川さん。誠実さや想いを大切にされながら楽しくお仕事をされている様子が伝わってきました。

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