目標到達プロセスを120%活用してコンバージョンを倍増させる方法-Googleアナリティクス中級編

PVやコンバージョンをページごとに追いかけるより、圧倒的に役に立つのが「目標到達プロセス」機能。当社のお客様の多くが、当初使用されていませんでした。 そこで今回は目標達成プロセス機能とは何か?その基礎知識から設定方法、応用のコツまで幅広くご紹介します!
※当機能には様々な活用方法があります。今回ご紹介するのはあくまで活用例の一つです。

※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。

【目次】

  1. 目標到達プロセスとは?
  2. 機能を有効にするには
  3. 応用のコツ

1.目標到達プロセスとは?

目標到達プロセスとは「ユーザーが目標(コンバージョン)に到達するまでに 閲覧する一連のページ遷移を表したもの」です(Google公式ページより引用)。つまり、お問い合わせ完了・資料請求完了といった目標ページに到達するまでにユーザーがどのような遷移を辿ってきたのかを可視化できる機能です。

当サイトを例にとって説明します。
当サイトの目標の一つである「お問い合わせ」の場合、下図のようにフォーム入力・確認・完了と3つの一連のプロセスをユーザーが辿る必要があります。

お問い合わせページに見られる、一般的な遷移プロセスです

Googleアナリティクスで表示されるコンバージョン数は「完了画面」にユーザーが到達した数になります。ですが、サイト管理者としては下記のような点についても考える必要があります

  • ユーザーはどのようなルートを辿ってお問い合わせに至るのか?
  • 入力画面まで到達したユーザーが途中で離脱してしまっていないか?
  • ユーザーはどこへ離脱するのか?

目標 到達プロセス機能を有効にすれば、一目でこれらの状況を把握できるようになります。

Googleアナリティクスの目標到達プロセス管理画面例。お問い合わせに至るプロセスを見える化してくれる便利な機能です

Googleアナリティクス画面上では、プロセスに至る直前のページや、各ページ間の到達割合、プロセスから離脱したユーザーの数・遷移先などについても図で表示されます。
これを見ることで、コンバージョン率を改善するうえでどこが課題になっているのか、明らかにすることができるのです。


2.機能を有効にするには

設定方法

それではこの機能を有効にするための設定方法を紹介します。
まず、アナリティクス設定画面上で[アナリティクス設定]→[ビュー]→[目標]と辿り、設定したい目標をクリックします。今回は例にならい、「お問い合わせ」を選択します。

まずは目標に設定しているURLが間違っていないことを確認します。そして、一連のプロセスとして設定したいページ群(今回は「入力画面」と「確認画面」)の名称・URLを入力します。
これで設定は完了です。

外部フォームのコンバージョン集計について

お問い合わせや資料請求フォーマットに、自社サイトと異なるドメインの外部フォームを利用しているケースは多くあります。その際にGoogleアナリティクス上でコンバージョン数を集計するためにはクロスドメイン設定が必要になります。詳しくはこちら。外部フォームでもしっかり目標到達プロセスを押さえましょう!


3.応用のコツ

押さえておくべき2つの視点

ここからは、目標到達プロセス機能を実際に活用していくためのコツをご紹介します。
まず、コンバージョン率を改善するうえで覚えておきたい二つの概念があります。それは「プロセス開始率」「プロセス完了率」という二つの指標です(※当サイトの造語です)。

プロセス開始率とは、自社サイトに訪問したユーザーのうち何割が目標到達プロセスに訪れたかを意味します。上記の例でいえば、何割のユーザーがお問い合わせフォームに訪れたか?と同義です。

そしてプロセス完了率とは、目標到達プロセスを訪れたユーザーのうち何割がプロセスを完了したかを意味します。同じく上記の例でいうと、お問い合わせフォームを訪れたユーザーのうち何割が実際にお問い合わせを行ったのかを表します。

コンバージョン率を向上するには、上記のどちらかを改善するしかありません。そして、これらの指標と不可分である目標到達プロセスは、コンバージョン率向上の重要なカギなのです。

プロセス開始率

プロセス開始率が著しく低い場合には、せっかくサイトに集めたユーザーをお問い合わせ・資料請求ページなどに誘導できていないことを意味します。より詳しく課題を特定する分析手法を二つ紹介します。

チャネル内訳をみる

[コンバージョン]タブの中にある[ゴールフロー]を活用することで、チャネル毎のプロセス開始数の内訳をみることが出来ます。特定のチャネルからの流入が少なければ、自社サイトの内容とは異なる興味をもつユーザー層を招いているかもしれません。
下図の例では、 自然検索が最も多く、外部サイト、ノーリファラー、ソーシャルの順となっています。この時は過去の内訳と比較して、ソーシャルからの流入数が減少していることを課題として特定しました。

ランディングページ内訳をみる

おなじく[ゴールフロー]を活用することで、ランディングページごとのプロセス開始数の内訳をみることもできます。特定のランディングページからの流入が著しく少ない場合は、例えば「ユーザーに対して何らかのマイナスの影を与えている」といった仮説が立てられます。

プロセス完了率

完了率が低い場合は、目標到達プロセスとして設定したページ自体に問題があると考えられます。

特にお問い合わせや資料請求の際に用いられるフォーム入力画面では、フォーム内の項目数・項目順序・導線設計などにより完了率が影響を受けることが知られています。

以上、目標到達プロセスを活用してWebサイトのパフォーマンスを向上するための手法をご紹介しました。Googleアナリティクスは複雑で扱いづらいツールと思われがちですが、うまく活用することで成果への近道となります。ぜひともチャレンジしてみることをお勧めします。