インバウンド施策に足跡ツールを活用する。見込み度の高い企業だけアタック

テレアポといえば今も昔もBtoBでは定番の営業手法です。しかしベテランの営業パーソンでも、テレアポが苦手という方は多いのではないでしょうか。受話器を握る前はやる気があったのに「興味がない」「探してない」など無情な返答に意気消沈したという経験があるかもしれません。

そんな営業パーソンを強力にサポートしてくれるのがインバウンドマーケティングでも活用される「足跡(ソクセキ)ツール」です。このツールは自社のWebサイトに訪れた方の情報を取得できるもの。今まで接点のなかった方にテレアポするのではなく、興味のある方にテレアポができるようになるため、効率良くアポイントの獲得ができます。

※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。

【目次】


足跡ツールとは

はじめに、足跡ツールについて説明します。Webサイトにアクセスしたユーザーの法人名・住所・電話番号などが把握できるサービスです。アクセス解析機能やメール配信機能などが付随。見込み顧客の行動を可視化できます。例として「足跡集客」や「リストファインダー」などがあります。


足跡ツールを活用するメリット

つぎに、足跡ツールを使うメリットを4点ご紹介します。

1.人件費・工数の削減になる

テレアポのターゲットを、Webサイトにアクセスしたユーザー=すでに興味を抱いているユーザー、に絞ることができるため、リストの作成費用やそれに関わる人件費、作業時間の削減につながます。効率的な営業活動が実践できます。

2.「問い合わせに近いユーザー」に絞りテレアポできる

足跡ツールではユーザーがどのページを訪れたのかがわかるため、たとえば「電話番号のページや問い合わせページまで到達したが離脱してしまったユーザー」にテレアポすることで、好反応が期待できます。

3.解析に使用し、Webサイトやサービスの改善に役立つ

よく閲覧されているページや滞在時間・訪問頻度などユーザーの行動特性から改善点を導き出すことができます。TOPページで離脱するユーザーが多い場合はTOPページの改善を、サービスメニューで離脱するユーザーが多い場合はサービスの見せ方やサービスそのものの見直しを考える必要があるでしょう。

またGoolge Analyticsでは取得できない法人名を取得できることから、特定の業種からのアクセスや一度の訪問あたりのPV数が多い場合、その業種をメインターゲットとしてさらにその業種に刺さるような見せ方に変えたり、逆にアクセスが少ない業種や直帰率の高い業種に対してWebサイトの導線を見直すことができます。

4.機会損失を防ぐことができる

貴社が提供するようなサービスを探しているユーザーは、他の会社の類似サービスを探しています。貴社のWebサイトでお問い合わせに至らず他サービスにユーザーの目が移った瞬間、貴社のことは忘れられていることでしょう。そのようなユーザにアプローチすれば、もう一度、貴社に興味を引きつける可能性が高まります。


結果:足跡ツール利用でアポ獲得率0.8%が11%に

今回は、先ほど例として挙げた足跡ツールサービス「足跡集客」を使いリスティング広告運用代行サービスの営業をしました。「足跡集客」を活用したサイトは以下の通りです。

筆者が籍を置く株式会社ジャックアンドビーンズで公開中のWebサイト
リスティング広告運用代行のお問い合わせLP
http://www.listing-factory.com/sem/

上記のLPで自ら問い合わせてきた方は全流入のうち2%で、そのうち40%の方がアポイントにまで至るという結果が得られました。つまり全流入のうちアポイントに至った方は0.8%です。

つぎに足跡集客を用いて、LPに流入したものの問い合わせをせずに離脱した方からランダムに選びテレアポしてみました。そのうちアポイントに繋がったのは10%でした。全員にはテレアポしていないので厳密な割合ではありませんが、もし全員に掛けても10%がアポイントに繋がったと仮定すると、全流入のうち足跡集客を用いることでアポイントに繋がる人は9.8%。

LPからの問い合わせでアポイントに繋がる人と足跡集客を用いることでアポイントに繋がる人を合わせると全流入のうち11%になります。

テレアポ代行企業の方に聞いたところ、足跡ツールを使わない通常のテレアポでのアポ獲得の相場は0.7%前後だそうです。足跡ツールを用いずにテレアポをした場合、143人に電話を掛けてやっと1人アポに繋がります。一方、足跡ツールを用いればもっと少ない労力でアポをとれる可能性があるのです。
LPや商材、電話での営業スキルによって成果に差はあるかと思います。しかし、闇雲にテレアポする手間と労力を考えると、一度興味を抱いてくれたユーザーにアプローチしたほうが効率的であり、良い結果に繋がります。

足跡ツールを活用した際に実際にあったテレアポ例

営業 「お忙しいところ失礼します、株式会社○○と申しますが・・・」

クライアント 「あ、ちょうど、御社のサービスに興味をもっていたんです」

「サイトを見ていたとき=温度感の高いとき」にアプローチする戦法は有効だと実感した瞬間でした。


まとめ:営業の効率化を図るなら足跡ツール

このように足跡ツールによって、自社のWebサイトを見ているユーザーに対して、競合他社のサービスサイトに移る前に(自社のWebサイトを離脱する前に)テレアポすることは、他社と比較されることなく、貴社にますます興味を持ってもらう可能性が高まります。

さらに、サイトを訪問したが問い合わせに至らなかった理由を営業時にヒアリングできれば、サイトの見せ方の参考にしたり、自社サービスの弱点を把握したり、といった活用もできます。

現在、もし営業の効率化が課題となっているのであれば、この機会に足跡ツールを活用してみてはいかがでしょうか。


<著者プロフィール>

J&B Labo(株式会社ジャックアンドビーンズ)・錠
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