マーケティング調査レポート8選。海外最新情報で資料作成に役立てる

データドリブンなマーケティングや営業の研究が進むなか、BtoB領域ではまだまだ経験や勘に頼った手法が主流であるのが現状です。しかし、アメリカを中心とした海外の先進企業の間では既にこれらの領域に関する調査・研究が盛んに行われています。

今回は「顧客購買行動」「BtoBマーケティング」「BtoBセールス」の3分野でそれぞれ注目すべき調査レポートを厳選して紹介します。

※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。

【目次】


顧客購買行動

THE 2014 B2B BUYER BEHAVIOR SURVEY

2007年の創設以来BtoB業界に関する情報発信を行っている「Demand Gen Report」より2014年1月に発表された、BtoBの購買行動調査レポートです。一層顧客の情報収集能力が向上し、購買検討期間が長期化する傾向を指摘しています。

(まとめ)

  • 4割の企業で、以前よりも営業マンと会うまでの検討期間が長期化している
  • 34%の企業で、以前よりも多くの社員が購買プロセスに関与するようになった
  • 回答した企業の3分の2が、業者選定に(Web上の)コンテンツが明確に影響したと答えた

BtoBサイト調査結果分析2014

日本ブランド戦略研究所より毎年発表されているBtoBサイト調査結果の2014年版です。顧客が購買検討場面において各種の情報源をどの程度重視しているのか、非常に興味深い調査結果が紹介されています。

(まとめ)

  • 仕事上の情報収集時、購買検討時のいずれにおいても企業のWebサイトが最重要視されている
  • カタログ・パンフレットは特に購買検討時の情報源として、依然重要視されている

BtoBマーケティング

Free Report: State of Inbound 2014-2015

次に紹介するのはHubspotが毎年公開している調査レポートです。欧米を中心とした世界各地の1500以上のBtoB企業のマーケターを対象とした調査で、インバウンドマーケティングの最新の潮流を知ることができます。非常に示唆に富んだレポートなのでぜひお読みいただきたいですが、ここでは注目すべき3つの結果をご紹介します。

(まとめ)

  • インバウンドマーケティング施策のROIを計測しているマーケターは、より高いリターン・より多くの予算を獲得している
  • ROIを高めるうえで現在最も有効な施策はブログであり、他の施策の13倍もの効果を生み出している。
  • 200人以下の中小企業では、インバウンドによる顧客獲得単価はアウトバンドの約3分の1である。

New B2B Content Marketing Research: Focus on Documenting Your Strategy

Content Marketing Instituteが毎年世界中のBtoB企業のマーケター5000人を対象に行っているコンテンツマーケティングの実態を調査したレポートです。2014年はコンテンツマーケティングはさらに広く普及してきたとしたうえで、戦略を明文化し、忠実に実行することがマーケティングの効率を向上するために大切だと結論づけています。

(まとめ)

  • 83%のマーケターがコンテンツマーケティング戦略を立てているが、それを明文化しているのはうち4割にすぎない
  • コンテンツを公開する頻度は「週に複数回」が最も多い(26%)
  • コンテンツマーケティング戦略のROIを計測できているマーケターは21%にとどまっている
  • 平均して3種類の媒体でコンテンツを公開しており、ソーシャルメディアが最も利用割合が高い

MOBILE, CONTENT NEW FOCUS FOR B-TO-B IN ’14

Advertising AgeがBtoB企業のマーケターを対象に毎年実施している”Marketing Priorities andPlans survey”の2014年版レポートです。デジタル領域のマーケティング予算がますます増加し、特に「コンテンツ」「モバイル」といった分野により力を入れる傾向が顕著に現れています。

(まとめ)

  • 47%のマーケターがモバイル広告を非常に重要だと認識している
  • 52%のマーケターがマーケティング予算を増加させる予定がある
  • 38%のマーケターが、マーケティング予算のうち3割以上をデジタル領域に投下する

2014 Forrester Research/Business Marketing Association/Online Marketing Institute study

米国の調査会社Forrester Research社による、BtoB企業113社のマーケティング責任者を対象とした調査レポートです。コンテンツマーケティングのリアルな現場の声を浮き彫りににしており非常に興味深いです。現在は調査結果概要を紹介した記事を閲覧することができます。

(まとめ)

  • 85%以上のマーケターが、コンテンツマーケティング施策が顧客のロイヤリティを高める結果に繋がっていないと感じている
  • わずか14%のマーケターが、同施策が自社のビジネスに利益を還元できていると回答した
  • 72%のマーケターが、部下が同施策を再優先施策として取り組んでいないと考えている

BtoBセールス

Winning at Sales in a Buyer-Empowered World

2014年にHarvard Business Reviewより発表された米国企業の購買行動調査です。購買者主導になりつつあるBtoBの商取引において、営業マンは正確に顧客の現在・将来のニーズを把握し課題を解決するスキルが求められると結論づけています。

(まとめ)

  • BtoBの見込み顧客は営業マンと接触する前に業者選定プロセスの57%を完了している
  • 65%の企業が、顧客の期待を引き上げることが最も困難な課題だと認識している
  • 購買意思決定者の72%が、営業マンの課題解決能力を主たる意思決定要因に挙げている

2014 Anual Lead Response Report

次はinsidesales.comが毎年発表しているAnual Reportの2014年度版です。こちらはWebで獲得したリードに対する企業のレスポンスについて、1万以上の企業から回答を得て分析をしています。結論として、どの業種においても企業はリードに対して素早く、かつ粘り強くコンタクトすることが重要であると述べているのが興味深いポイントです。

(まとめ)

  • Webリードへの最初のコンタクト手段として最も多いのがemail(70%)、次が電話(5%)である
  • Webリードへの平均レスポンス時間が最も早い業界は通信業(16分)であり、最も遅い業界はヘルスケア(2時間5分)である
  • Webリードへの平均回数で最も多いのが1回(24%)、次に多いのが2回(10%)である

いかがでしたでしょうか。さまざまな調査レポートを読むなかで、BtoB営業・マーケティングにおいては2015年より一層Webの役割が大きくなるであろうことを実感しました。BtoB企業にとって明確な戦略を描く大胆さと、着実に進める実行力が問われる一年となりそうです。